『TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』
『TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』を読みました。
メモを Obsidian に集約するようになって、数年が経ちました。未だに Obsidian を使いこなせていないように思います。しかし、Obsidian の機能がわからないというより、Obsidian を使ったメモ書きのベストなワークフローがわからない、という感覚です。少し前に流行った本書に Obsidian に対する言及があると聞き、手にとってみました。
この本は、ニクラス・ルーマンという社会学者が採用したツェッテルカステンというメモ術を紹介しています。身も蓋もないことを言うと、ツェッテルカステンの細かい実践方法は理解できないまま読了しました。ルーマンは 20 世紀に活躍した人物なので、彼は紙とペンによるメモを採用していました。これが僕の Obsidian のワークフローとメンタルモデルが乖離していて、ピンと来ませんでした。「紙のメモに一意の数字を振り、関連するメモ同士をリンクする」という旨の説明があった (と理解している) のですが、「どうやって?」の部分がクリアになりませんでした。僕の読解力が不足している可能性も大いにあります。
メモを書くときの心構えとして紹介されている内容は面白かったです。まず、メモは何かを書き写したものではいけない、ということです。たとえば読んでいる本の内容をメモするとき、本の内容を抜粋するのではなく、内容を自分の言葉に置き換えて書く、ということです。「自分の言葉に置き換える」ことは、内容を理解しなければできない。つまり、自分の言葉でメモを取ることこそが学習である、と著者は主張しています。
また、走り書きのメモと永久保存するメモは明確に区別せよ、と述べられています。走り書きのメモは、数日以内に永久保存用のメモに昇華するべきで、そうできないメモは残しても価値がありません。読み返されないから。
ここで自分の Obsidian の使い方に思いを馳せます。僕は Obsidian で、走り書きのメモばかり書いてきました。一日の最初に Daily Notes を作り、その日にやりたいタスクを書き出します。それをマークダウンでチェックボックスにしておき、終業のタイミングですべてチェックされていることを目指す、という使い方です。タスクごとに一時的なメモが必要なことがあり、それも Daily Notes に含めていました。この使い方だと Daily Notes を見返すことは稀だし、知識が積み上がりません。これは「なんちゃって Getting Things Done」で、仕事をこなす意味では良いけど、知識と理解を深めて大きな仕事に取り組むには不十分です。
本書を読んだ上で、とりあえず次のように Obsidian の使い方を変えようと思いました。
- Daily Notes は引き続き使う
- Daily Notes の中で積極的にページを作り、その中でもページをリンクさせる
たとえば Daily Notes で「Spring Security による認証機能を実装する」というタスクを作るとき、Spring Security を個別ページとし、そのページの中で、例えば OIDC や Kotlin などのキーワードをまた個別ページとし、リンクさせる...というイメージです。
このようにワークフローを変えて起こる変化がポジティブかどうか、しばらく後に振り返ろうと思います。