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『小さな習慣』

小さな習慣』を読みました。良い本でした。

かねてより人間は「習慣」と「環境」で形成されていると感じています。環境は選べる範囲で選んできました。進学先しかり、就業先しかり。しかし、習慣はコントロールしづらいものです。良い習慣を身につけたいと一念発起してもモチベーションが続かず、いつもの生活に逆戻りする。これが、お決まりのパターンでした。

習慣をコントロールしたいという気持ちから、本書を手に取りました。読後の高揚感もありますが、ある程度はコントロールできるかも、と思えるようになりました。

まず、本書は目標設定の指針が独特です。「ばかばかしいくらい小さい目標」が良いとしています。具体例として「腕立て伏せ1回」という目標があります。これは、数秒で達成できる簡単な目標です。なお「腕立て伏せ1回」が目標ですが、別に1回以上やっても構いません。

この「目標を超えてもペナルティがない」というのが重要です。目標に向かって進むとき、最初の一歩が最も大変です。「ジムで1時間汗を流す」という目標だと、なかなか最初の一歩に踏み出せません。ところが「腕立て伏せ1回」であれば、最初の一歩が重くありません。というか、最初の一歩でゴールです。

この考え方は応用が効きます。例えば200ページの本を執筆したいとします。一日あたり半ページ書くという目標はどうでしょう。興が乗って10ページ書く日もあるかもしれません。でも、それを目標にしてはいけません。ペンを持ち、半ページ書く。それが続けば、習慣になります。「毎日10ページ書く」というのが目標だと、最初の一歩が重いかもしれません。半ページなら、そうでもないはずです。

なお、この本は「モチベーションに頼ってはいけない」と言っています。同意します。モチベーションは管理が難しいものです。「ばかばかしいくらい小さい目標」は、モチベーションなしでも達成できる目標です。そうすることで、モチベーションに依らず目標をクリアし続けられ、良い習慣を作れるということです。