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『Tidy First?』

Tidy First?』を読みました。残念ながら、僕にはあまり響きませんでした。

著者は Kent Beck です。僕は彼のファンです。彼が執筆した『エクストリームプログラミング』や『テスト駆動開発』は何度も読み返しました。Kent Beck の新作なので期待値も高かったのですが、あまり楽しく読めず、残念です。

この本は物理的に薄い本で、章が細かく分割されています。なので、各章が数ページで終わります。さらに、章がほぼ独立しているので、気になる章だけ読むこともできます。

これはメリットでもありますが、僕にとっての「響かなさ」の要因のひとつでもあります。たとえば『テスト駆動開発』は「通貨の実装」を100ページ以上かけて行います。一歩一歩コードを書き進めていく様はライブ感たっぷりでした。しかも実際のプログラミング言語 (= Java) で書いているので、Kent Beck の思考プロセスを追体験できます。これは良かった。

一方『Tidy First?』は短い章が連なっているので、「あれ? 今の話これで終わり?」と思うことが多かったです。サンプルコードも疑似言語で「これは実際にはどういうコードを想定してるんだ?」というのを読み解きづらくもありました。

知識を得る本というより、問いかけを得られる本という趣です。良く捉えれば「考えさせられる本」と言えます。その意味では、多人数でわいわい読書会をするネタとしては、良い本なのかもしれないです。